基本のお肌のケア
赤ちゃんの肌はうすくとてもデリケートです。涙、汗、よだれなどがお肌の刺激になります。泡だてた石鹸や泡シャンプーをお肌にのせてこすらずによく洗い流してください。その後、時間をおかずに全身を保湿してください。ちくちくごわごわする衣類や、衣類に残った洗剤や柔軟剤が刺激になることもあります。熱いお風呂も刺激になりかゆみの原因になるので避けてください。
乳児湿疹
乳児湿疹(しっしん)は乳児期の皮膚トラブルの総称です。脂漏性皮膚炎・新生児ざ瘡・おむつかぶれなどが代表的なものです。乳児期は皮膚のバリア機能が低いので、生後1〜2ヶ月から様々な皮膚のトラブルを起こしやすくなります。ケアの方法がわからない場合は、医療機関に相談しましょう。
脂漏性皮膚炎
皮脂腺の多い頭や額、肌が擦れる部分を中心に黄色いかさぶたのようなものができる症状です。生後3〜4ヶ月がピークで、徐々に治っていきます。
新生児ざ瘡
皮脂の分泌が盛んな生後数ヶ月くらいまでにみられる、赤や白のニキビのような皮膚炎です。
おむつかぶれ
(接触性皮膚炎)
おむつに当たる皮膚が、尿や便などに刺激され、赤いぶつぶつやただれができます。清潔にすることと、保湿が予防になります。赤くなっている場合は炎症を起こしているので、ステロイド外用薬を塗って症状をおさめます。ステロイド外用薬の治療で治らない場合は、皮膚カンジタ症になっていることがあります。その場合は抗真菌外用薬での治療が必要になります。湿った環境は症状を悪化しますのでこまめにおむつを替えるのも大切です。
アトピー性皮膚炎、ステロイド外用薬の使い方
蕁麻疹
かゆみを伴うふくらんだ発疹です。これらの発疹は数10分~数時間で消えることがほとんどです。
じんましんが出たら、まず、皮膚以外の症状が出ていないかどうかを確認することが大切です。食べ物や薬のアレルギーによるじんましんでは、食後や薬を飲んだあと数分から数時間の間に急激に発疹が広がり、嘔吐や腹痛、咳が出たり呼吸が苦しくなったりすることがあります。皮膚の発疹以外にこういった症状が出現したら、緊急度の高い「アナフィラキシー」という状態かもしれません。迷わず救急車を呼びましょう。皮膚以外に症状がなければ、まず焦らなくて大丈夫です。しばらく様子を見て、かゆみはあるけれど、発疹が広がる様子がなく元気という場合は、一旦様子をみましょう。身体を温めると刺激になりかゆみが強くなるので、熱いお風呂などは避けてください。蕁麻疹は75%が原因不明と言われていますが、食べ物や薬、感染、疲労など様々な原因によって起こります。何をした時、何を食べた時に症状がでたのか記録などして覚えておくとよいでしょう。繰り返す場合は血液検査をお勧めしますが、それでも、はっきりとした原因がわからないことも少なくありません。治療にあたっては、主に抗アレルギー薬を使います。重症のケースでは免疫抑制薬やステロイドの内服薬を用いることもあります。
水いぼ
伝染性軟属腫ウイルスに皮膚が感染し水いぼとなります。水いぼがつぶれ、そこにいるウイルスが、他の場所に感染すると増えていきますが、数ヶ月から数年以内に自然治癒します。皮膚の接触、タオルの共用で感染することが多いです。アトピー性皮膚炎や湿疹がある場合は、感染リスクが高くなるので注意が必要です。学校保健安全法では、水泳への参加そのものは制限されていません。ただ、園によって、プールへの参加が禁止されている場合があります。お困りの場合はご相談ください。
とびひ
すり傷、虫刺され、湿疹、あせもなどでかきむしったりすることで皮膚にできた浅い傷に、細菌(黄色ブドウ球菌やレンサ球菌など)が入ることが原因で、皮膚が赤く腫れ、水膨れや、じゅくじゅくした状態になります。とびひを触った手で、他の場所に触れると発疹が広がるのと、他の人にも感染してしまうので治療が必要です。治療は抗菌薬を塗ることと、症状がひどい場合は抗生剤を内服します。